2019.5.31 Fri
夜の藍。
夜を感じる深い深い藍。
珍しいカットのブルースピネル。
3枚目の写真のチェッカーボードカットの方が本来のトップだけれど、今回上下を逆にして作品にすることに。
カットの深さと色味の濃さによって、チェッカーボードカットの方を上にしてセットすると、この美しい翳りを持つ藍のニュアンスが消えて漆黒の石に見えてしまう、というのも理由の1つだけれど、なによりも、逆にした姿が異国の王宮の屋根やパビリオンのようで、とても心惹かれたから。
このスピネルは、たとえば古代遺跡から見つかった宝石のような、いにしえの時間が内包されていることを感じる佇まい。
少し荒っぽいカットによって、このルースを構成するラインが細くすりガラスのようになっているところも、石の中にある気泡のようなインクルージョンもとても好き。
6月の新月に、古代エジプトの気配を宿したリングとなってお披露目の予定。
2019.5.29 Wed
Night Glow。
最初に見た瞬間、あ、夜の海、と思った。
そんな、オーストラリア産のボルダーオパール。
上空から見た夜の海辺を切り取ったかのよう。
様々な色の岩盤が連なっているかのような岸辺と、夜光虫が無数に輝いているかのようなまばゆく深い海。
写真では捉えきれなかったけれど、角度が変わるにつれて、青紫やエメラルドグリーンの繊細な遊色がチカチカと光り、その複雑な美しさに引き寄せられる。
この6月にブレスレット作品となってお披露目の予定。
2019.5.29 Wed
王と王妃。
シェークスピアの『真夏の夜の夢』に登場する、妖精王オベロンと妖精の女王ティターニア。
その名を持つ薔薇たちが、珍しく同じ時に開花してくれたので一緒にしてみた。
アトリエが、水気たっぷりの果実を思わせる甘い香りに包まれる。
古い絵画の中の薔薇のようなまあるい形の Lordly Oberon。
そして、豪奢なドレスのように花びらをたっぷりと重ねた、淡いイエローの Proud Titania。
どちらも大好きな薔薇。